2011-01-01から1年間の記事一覧

第50回 安倍首相の辞書には<セクハラ>はない?

いえ、安倍首相に限らず、<従軍慰安婦>問題で<日本軍による具体的な強制はなかった>とする人たちの論理では<この世界に“セクハラ”は存在しない>ことになってしまいます。どういうことかといいますと… ————– <朝鮮日報>のインターネット版(2007/6/28…

第100回  身体“障がい”者ですって?

先週報じられたところによると、公明党は今後、党内で作成する文書類から身体“障害”者という表記をなくして、身体“障がい”者とすることを決めたそうです。 “害”という文字には否定的な響きがあるから平仮名にする−ということでした。 そうでしょうか?「害」…

第94回 「野良犬に餌をアゲテオラレル老恩師」?

<苦言熟考>(ステアク・エッセイ)では<日本語がおかしくなっている>という趣旨の文章をこれまでに何度か書いてきています。 今回"問題"にしたいのは<"いられる=いらっしゃる"と"おられる">と<"やる"と"あげる">の二つの混同例です。 「わたしの恩…

第93回 あれは正しい情報だったようです

ちょうど40年前の1968年の秋ごろに、友人のH君からこんな話を聞きました。 これは、そのH君が彼の友人A君から聞いた話です。 A君には、中国(長期旅行)から戻ってきたばかりのB君という友人がいました。 そのB君がA君にした“みやげ話”の中にこ…

第62回 米中将の対イラク戦争観

<ニューヨーク・タイムズ>の10月12日号に<Ex-Commander Says Iraq Effort Is ‘a Nightmare’ 「悪夢だ」 イラク侵攻で前司令官述べる>という記事がありました。 「前司令官」というのは、イラクのアブグライブ収容所で起きた捕虜虐待事件のころにイラ…

第49回 5年間も放置されたターミナル3

ニノイ・アキノ国際空港(NAIA)には2002年にほぼ完成した第3ターミナルがあります。…いまだに使われていません。 ————– 昨年9月に日本に一時帰国した際にマニラ国際空港(NAIA)まで乗ったタクシーの運転手は、早朝だったのに、途中の交通渋滞を恐れ…

第48回 万能! “解釈変更”

そんな“解釈”が通るのなら、安倍首相、憲法改定する必要はないのでは? ————– 安倍首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二前駐米大使)というのは、選出されたそのメンバーの顔ぶれから、どういう内容の答申をするか…

第31回 翻訳がいまでも気になって

またちょっと英語で遊んでみませんか ———- 手元に12〜3年前に買ったペイパーバックがあります。法廷推理小説<REASONABLE DOUBT> Philip Friedman (IVY Book)です。アメリカで買った本を、長い年月のあと―フィリピンに移ってからでも―まだ持っているのは…

第34回 「英語であそぼう!」上級篇 第三弾!!

「合理的な疑い」(ハヤカワ文庫)の誤訳紹介(!!)にハマッテいます。 ————– 今回は前回までとは少し異なったやり方で遊んでみましょう。 問題の個所は文庫<下>の384ペイジです。 ジェニファー裁判では陪審の評決がすでに出ており、量刑の宣告を待つ…

第33回 「英語であそぼう!」上級篇 第二弾!!

前回のつづきです ————– 原文(の単語など)を勝手に変えて翻訳する…。 古いところでは日本の古代史学界がありますね。多くの学者が、自分の解釈に合わなければ「魏志倭人伝」でも何でも<ここは、日本にやって来た中国人が勘違いするか、間違ったことを意図…

第32回 今回は「英語であそぼう!」上級篇!!

ああ<上級篇!!>などと、ずいぶん大きな看板を上げてしまいました。 ———- 今回も材料として<エッセイ31>と同じく「合理的な疑い」フィリップ・フリードマン(延原泰子訳・ハヤカワ文庫)と「REASONABLE DOUBT」Philip Friedman (IVY Book)の二冊 を使…

第30回 再び<出稼ぎ>について

タクシー・ドライヴァーとは本当によく話すんですよ ———- メトロ・マニラを走っているタクシー・ドライヴァーのうちで、自分が運転する営業用の車を所有している人―タクシー営業を完全自営化している人―の割合はどのぐらいなのかと考えることがあります。 自…

第18回 ただの「農場」でいいのかな

今回も<翻訳はむずかしい>という話です。 ———- 1月19日の日本語CNNインターネット版に「ヒラリー議員、ブッシュ政権を痛烈批判」との見出しが付された短い記事がありました。 最初のパラグラフには<ニューヨーク──クリントン前米大統領の夫人である…

第28回 <ANAK> 〜タガログ語の映画 3〜

海外に出稼ぎに出るということは ———- 2000年に公開されて大ヒットとなったという、VILMA SANTOS主演の映画<ANAK>(息子・娘たち)を<SINEMA ONE>で見たのは<The Flor Contemplacion Story>を見た数日後でした。 中東レバノンの首都ベイルートへの…

第27回 <The Flor Contemplacion Story> 〜タガログ語の映画 2〜

分かろうと、分かるまいと、深刻なテーマの映画も見ます ———- 前回のエッセイで触れたタガログ語映画チャンネル<SINEMA ONE>で、最近、海外で働くフィリピン人ハウスメイドを主人公にした映画を二つ、つづけさまに見ました。 一つはNORA AUNORの<The Flor…

第26回 <’MERICA> 〜タガログ語の映画 1〜

ガログ語の映画をよく見るのですよ ———- 自宅に入っている<SKY CABLE>にはいくつかの映画専門チャンネルがあります。 その中でわたしが一番見るのは、アメリカで馴染みがあった<HBO>や<SINEMAX>ではなく、実は、タガログ語の映画だけを放送する<SINEM…

第22回 似てる、似てる

日本からのニュースによると、テレヴィドラマ「冬のソナタ」あたりから始まった<韓流>ブームにかげりが見え始めているそうですね。 インターネット版《朝鮮日報》(日本語)も先日、ドラマや映画の撮影地を訪ねる日本人観光客が激減していると伝えていまし…

第60回  <テロ対策特別法> いつか聞いた嘘…

いまの臨時国会での最大の争点は「<テロ対策特別法>をどうするか」になりそうです。 <対策法>の主な狙いは、アフガニスタンで対テロ戦争に従事している外国艦船への海上自衛隊による給油活動を認めるところにあります。 自民党は、この<対策法>がある…

第59回 読売社説のいいかげんさには、つくづくうんざりさせられます

「こんな社説は読みたくない」がまるで随時連載のシリーズ企画のようになろうとは予想していませんでした ————– <国際テロ対策として、インド洋での海上阻止活動に参加中の日米英など8か国の貢献に対する「謝意」を明記した国連安全保障理事会決議が採択さ…

第58回 テロ対策特別措置法をどうする?

自民党の総裁選挙が(福田元官房長官が選ばれて)終われば、事実上休会中の臨時国会が再開されます。 その臨時国会での最大・最重要な争点は、俗に「テロ対策特別法」と略称されている「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによ…

第57回 [読売]の論説部は自民党なみに衰弱している

<安倍後継政権としては、給油活動継続は無論、年金などの社会保障制度の改革、財政再建、消費税率引き上げ問題を含む税制改革など、国の存立や国民生活の基本にかかわる重要政策に取り組まなければならない> <そのためには、政策の内容には当面、違いがあ…

第56回 水戸黄門の印籠だと思っていると大間違い

<日本が「テロとの戦い」を継続することへの国際社会の期待の強さが改めて確認された> 読売新聞(2007年9月9日)の社説の書き出しの一文です。 安倍政権・自民党と読売新聞などはこれまでも<テロとの戦い>という言葉を好んで使ってきています。‐こ…

第55回 「世論調査」も信じられない?

報道機関による世論調査の<誤差>は3パーセント程度だと思っていましたが…。 ————– 改造内閣支持率44・2%、参院選後比12・5ポイント増 改造内閣の支持率は44・2%で、参院選直後の7月30、31日に行った緊急世論調査(同)の31・7%と比べ…

第54回 「The Good War, Still to Be Won」

アメリカの世論が「対イラク戦争は失敗だった」と考えていることが明らかになってからずいぶん月日が経っています。遅くとも昨年11月の中間選挙でブッシュ大統領の共和党が敗北した時点までさかのぼることができます。 そして…。 2007年8月20日の「…

第53回 「武器行方不明」に驚きますか?

<イラク治安部隊>って、いったい何なのでしょう? ————– CNNの日本語インターネット版(2007/08/07)に「イラク治安部隊への武器、半数以上が行方分からず 米報告」という見出しが付された<ロイター>発の記事がありました。 その記事によると… 米会計…

第52回 安倍首相は「反省」という単語の意味が理解できていない

参議院議員選挙の結果が出ました。 ————– 読売新聞インターネット版(2007年7月30日)は「与党惨敗・過半数割れ、民主第1党に…安倍政権に打撃」という見出しで報じています。 「打撃」を受けているはずの安倍首相は昨夜…。 読売新聞によると<「惨敗…

第51回 進路を間違えたのでは、安倍首相?

安倍首相にいくらか“才能”があることを改めて知りました。…社会のためになるとは、とうてい、思えませんが。 ————– 堂々とウソがつけるという才能です。 饒舌な人は<自分はシャベリがうまい。だから、いつでも相手を言い負かせることができる>という錯覚に…

第47回 “まっとう”な警告を無視したブッシュ政権

偉そうなことを言うようですが、わたしにも予測できていました。 ————– 朝日新聞(05/27/2007)によると、米上院の情報特別委員会(Senate Select Committee on Intelligence)が5月25日、それまで機密扱いとなっていた「イラク体制転換の地域的影響」(R…

第46回「ジョージ!」「シンゾウ!」の仲も実はこんなもの

日本の政治家の国際的な現実感覚のなさが(恥ずかしながら)またまた証明されました。 ————– きのう(05/11/2007)報じられたところによると、アメリカのライス国務長官は日本政府にすでに、北朝鮮に対する<テロ支援国家>指定を解除するかどうかの判断の材…

第45回 こんな「社説」は読みたくない

おかしな内容の論陣を張る人びとはその論の導き方も粗雑でずさんですよね ————– まずは下の引用文を読んでください。いわゆる「南京事件」に関するものです。 敗残兵で混乱する南京掃討戦の過程で捕虜の殺害や民間人への略奪、暴行が多発したことは、当時の…