第42回 「従軍慰安婦」はやはり…

  この類の資料を安倍首相はどう読むのでしょうか
  4月15日の「asahi.com」の記事によると、東京裁判に提出された証拠資料の中に<占領支配したアジアの女性が日本軍に強制的に慰安婦にされたことを示す尋問調書など>があることを関東学院大学林博史教授が確認した、ということです。この資料は東大社会科学研究所図書館にあるそうです。
  資料からは、たとえば、インドネシアで女性たちが強制的に慰安婦にされたことを示す証拠資料が提出されたことが判明しているようです。

  資料提出国=オランダ
  提出日付=1946年3月13日
  尋問された人物=日本海軍の情報機関にいた男性軍属
  追及された出来事=「日本人と親しくしていた地元女性が日本軍に拘束され、警備隊長に平手打ちをされ、裸で立たされ」たのはなぜか
  男性軍属の答え=。「抑留したのは彼らを淫売(いんばい)屋に入れることができるための口実を設けるために警備隊長の命令でなされたのであります」

  1946年5月16日付尋問資料の中では、あるオランダ人女性が<44年1月28日、インドネシア人警察官が彼女を含め計7人の女性や少女を日本軍捕虜収容所事務所に連れていき、日本人に引き渡した。さらに車で小さな収容所に運ばれた。同年2月3日に医師による健康診断を受けた際、日本人向けの「娼楼(しょうろう)(brothel)」で働かされることを知った>と証言し、「労働日には娼楼は日本将校のために、日曜日午後は日本下士官のために開かれ、日曜日の午前は兵卒等のために保留された。時々一般の日本人が来た。私は常に拒絶したが無駄だった」と述べているそうです。

  大陸では:
  資料提出国=中国(軍事委員会行政院)
  作成日付=1946年5月27日
  内容=桂林では、「四方より女工を招致し、麗澤門外に連れ行き脅迫して、妓女(ぎじょ)として獣の如(ごと)き軍隊の淫楽(いんらく)に供した」「工場を設立するという口実で、かれら(日本軍)は女工を募集した。こうして募集された婦女子に、日本軍隊のために醜業を強制した」

  林教授はこの17日に日本外国特派員協会で会見する予定だそうですから、このエッセイが「ステアク」に掲載されるころには、もっと詳しい内容が明らかになっていることでしょう。
  安倍首相の反応が見たいものです。